兼業代理店の体制整備問題について
自動車アフターマーケット業界のお困りごとを解決するサービスを展開する、
フロントアカデミアの佐野です。
10月13日、金融庁と国土交通省が日本損害保険協会に対し、
代理店業務品質評価制度の適切な運用を要請したというニュースを見ました。
今回は、この件についての感想を書いていきます。
要請の内容を整理する
報道によると、一部の代理店から
「過度な体制の整備を求められている」
「充分な対話なく委託契約の解除を示唆された」
といった声があり、今回の要請につながったとのことです。
要請は損保側に対するもので、
代理店の規模や業務特性を踏まえた支援を行うこと、
合理的な理由のない一律の改善期限や一律の対応を行わないこと、
といった内容が含まれています。
二輪車販売店や整備工場などの兼業代理店が果たす役割にも触れられており、
代理店側から見れば、現場の声が届いた形と言えます。
損保は「急に厳しくなった」のか
損保が性急に進めているように見えた、という感覚は、募集人資格を持っていた私にも理解できます。
ここ数年、一連の不適切事案を受けて、損保各社が信頼回復に動いた結果、
現場の代理店には「急に求められることが増えた」と映ったのだと思います。
しかし、代理店になった時点で、求められるコンプライアンス・ガバナンス、
つまり、行うべきことは決まっていたはずです。
夏休みに入る前から出されていた宿題を、
「最後の一週間で一気にやる」ような感覚になっているのは、急に厳しくなったのではなく、
損保側による代理店管理の不備 = 収保があれば文句は無い、という状況に近かったのかなと感じます。
損保側の課題
多くの損保が代理店システムを提供しており、そこで連絡や研修のお知らせを行っているでしょう。
すると、WEB上でのチェック・管理が出来るにも関わらず、
「口うるさくしたらウチに保険を入れてくれないかも」
というような気持ちが働きかねないのかなと思います。
例えば、個人情報保護に関する動画研修を受けていないことが分かっていた。
これは、代理店側の問題もゼロではありませんが、
管理することが出来たのにしてこなかった損保側にも責任があると思います。
特に兼業代理店にとって、収保が保険担当者の人件費を捻出できるほどでなければ、
「言われないからやらない」になりがちです。
今年度に入り、急に「やってない?じゃあ代理店は継続できないね」と言われたら、
金融庁が対話せよ、というのも当然だと感じます。
聞くところによれば、損保の代理店担当者ごとに、対応がかなり違うという印象もあります。
代理店を担当するのが人であり、人によって差がつくというのは、
損保側の体制も問われるのではないでしょうか。
1年間で準備と運用は難しい
今損保側が求めていることを、1年で一気に整えるのは現実的ではありません。
たとえば、次のように進める形が考えられます。
- 1年目:募集人の資格・研修状況の棚卸し、個人情報の取り扱いやマニュアルの確認、記録の残し方の整理
- 2年目:決めたルールを日々の業務で運用し、定着させる
要請でも「ていねいな対話」が求められています。
損保任せにせず、代理店側からも自社の状況を説明し、
何をいつまでに行うのかを話し合えるようにしておくことが大切です。
まとめ
今回の要請は、金融庁と国交省から出ています。
縦割り行政という言葉があるにも関わらず、この数年は金融庁と国交省が密に連携を取れている印象です。
代理店に寄り添う要請ではありますが、
「何もしなくて良くなった」という意味ではありません。
求められることは、これまで通り求められます。
対話の場に立つには、まず自社の現状を把握し、
それを説明できる形にしておくことが大切です。
とはいえ、日々の業務に追われる中で、
ルールやマニュアルを整える時間を確保するのは簡単ではありません。
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私自身が保険募集人として現場を経験してきたため、
実際に運用しやすいルールづくりを大切にしています。
マニュアルは定型文ではなく、自社の実際の動きに合わせて、
一緒に作成していきます。
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参考:
BSRweb:金融庁・国土交通省が損保協会に要請、代理店との「ていねいな対話」徹底を求める
金融庁:損害保険業界の信頼回復に向けた取組の適切な運用について
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