自動車のクーラー交換はなぜ高い?
自動車修理の鈑金塗装工場を支援するサービスを展開する、
フロントアカデミアの佐野でございます。
本記事では、
「自動車のクーラー交換が高い理由」
を記載しています。
クーラー・エアコンのように、既に搭載されていて当たり前のものが壊れると緊急性が高いですね・・・
エアコン関連に限らず、自動車の部品は高い
自動車の部品がなぜ高いのか。
クーラーの内部の部品は使いまわしがきくかもしれませんが、
エンジンスペース・車内スペースの問題で、サイズやケースの形状、
消費電力や排水といった動かした後の問題はもちろん、
量産効果により安くするにも限度があります。
工賃も値上がりしている
自動車整備業は長年「やりがい搾取」してきた業界であり、
働き手の減少による整備需要への供給力は減少しています。
地域によっては”整備難民”という言葉が出てくるほど、
需給バランスは崩れ、作業工賃は数年前の1.5倍ほどとなっている工場も少なくありません。
これまで、1時間あたり7000円~8000円ほどだった工賃が、
1万円以上になっている工場もあります。
部品も値上がりしている
自動車整備業がやりがい搾取してきたと書きましたが、
部品製造工場も人手不足です。
基本的に、新車が出た当初の補修部品が最も安く、
年数を経て部品代は値上がりしていくものですが、
そもそも補修部品自体が1.3倍、1.5倍、
モノによっては2倍以上、新車発売時から値上がりしている場合もあります。
自動車の補修部品が高価になる理由
1. 車種や型式ごとの専用設計が多い
家電製品であれば、ある程度標準化された共通パーツを大量生産してコストを下げることができます。
しかし自動車の場合、エンジンルームの配置や車内デザイン、配管の回し方などが車種や型式ごとに細かく異なります。内部メカニズムは似ていても、ケースの形状やブラケット(固定金具)の位置が少し違うだけで専用パーツになってしまいます。
結果として、一つの部品あたりの生産数量が限られ、量産効果によるコストダウンには限界が生じます。
2. 求められる耐久性と安全基準の水準が高い
自動車部品は、家庭用製品とは比較にならないほど過酷な環境で使用されます。
- 温度変化(夏のエンジンルーム内の高温から真冬の氷点下まで)
- 連続的な振動・衝撃(走行時の路面からの振動)
- 水・泥・油への曝露
こうした環境下で何年も故障せず、事故を起こさないための耐久性試験や安全基準のクリアが必要です。素材の選定や構造設計の段階から高い品質が求められるため、製造原価そのものが高くなります。
3. 長期間にわたる補修用部品の保管・管理コスト
自動車は購入から10年、15年と長期間使われることが前提の製品です。
メーカーは車種の生産が終了した後も、
修理用(補修用)パーツを長期間にわたって在庫として保持し、
必要に応じて小ロットで再生産・供給できる体制を維持しなければなりません。
この保管場所の維持費や小ロット生産の管理費用が、部品価格にあらかじめ織り込まれています。
4. 単純な「部品」ではなく「システム」として機能している
エアコンやブレーキ、エンジン周りのパーツは、それ単体で動いているわけではありません。
ECU(電子制御ユニット)との連携、配管の圧力制御、排水処理など、
車両全体のバランスを考慮して設計されています。
不具合が起きれば車全体の故障や事故に直結するため、設計・検証にかかるコストの割合が大きくなります。
まとめ
もちろん、材料費の値上がりもあると思いますが、
人手不足という問題はすぐに解決しないでしょう。
それに加え、
「厳しいレイアウト制約の中での専用設計」「過酷な環境に耐える品質基準」「長期間の供給体制維持」
といった要素が合わさった結果です。
エアコン以外の部品も同様ですが、
自動車の所有・維持に対するハードルは今後も上がっていく一方だと考えられます。
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