引取納車費用の請求に関する準備とは

自動車修理の鈑金塗装工場を支援するサービスを展開する、
フロントアカデミアの佐野でございます。

本記事では、
「引取納車費用や出張費の請求は準備をしないとリスクだらけ」
という内容を記載していきます。

鈑金塗装工場だけでなく、元請けとなるディーラー・整備工場・中古車販売店等の方にも、
参考になるかもしれません。

取適法で変わったこと

取適法により、

元請けが協議に応じないまま一方的に代金を据え置くことが規制されました。
これを受けて、これまで請求していなかった費用を請求に乗せていこうという動きが出ています。

9か月が経ちもうすぐ1年になってしまいますが、
対応出来ていない、というディーラー・中古車販売店等も多いでしょう。

工場側とすれば、請求できるようになった!という気持ちですが、
請求する側には請求するための要件がある、

という事を知らない方もいらっしゃるかもしれません。

結論から言えば、白ナンバーでの請求はリスクばかりでリターンがほぼない、となります。

請求するための要件、つまり許認可の有無

世の中には様々な業種で許認可があります。

そして、自動車業界の方が知らないはずがない、
緑ナンバーと呼ばれる許可もあります。
通称緑ナンバーは、5台以上の緑ナンバー登録が要件となります。
積載車やレッカー車を2-3台、部品運搬などの用途で2-3台用意するとしたら、
手間や経費を考えると、レッカー部門や運送部門が無ければ、
鈑金や整備のみの工場では難しいかもしれません。

では、白ナンバーでの納車引き取り、自走での納車引き取り、白ナンバーでの部品運搬で、
その費用を請求できるのか、きちんと理解できているでしょうか。

一番肝心なのは、一般顧客にも請求していること

当然ですが、「実費修理の顧客に請求していないのに、保険の場合は請求する」とすることは、
極めてリスクが高いです。

広義の保険金詐欺、という解釈になった場合、
刑法246条(詐欺罪)は10年以下の拘禁刑
となります。

これに対し、いわゆる白タクと呼ばれる、緑ナンバーではないのに有償とした場合、

3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはこれを併科

となります。

罪の大小とは関係なく、
適法に営業をすることで、長く地域に根差した経営が可能です。

元請けが請求しろと言ってきたので、請求する場合

2026年4月1日から新しい法律ができていました。
無許可事業者へ委託した場合
(つまり、「急いでいるから、請求していいから白ナンバーで運んで!と頼んだような場合」)、
100万円以下の罰金、だそうです。

・貨物自動車運送事業法(2026年4月1日施行の改正法):国交省による概要に飛びます

ディーラーから言われたので緑ナンバーは持っていないけど請求してるんだ、
という言い訳は、もちろん通用しません。

白ナンバーの積載車で請求ができる?

当然ですが、許認可が無い状態ですので、
運搬に関する費用を請求できません。

リスクを回避する方法は、請求をしないことか、緑ナンバーを取得することです。

積載車を使わない、自走引き取りのリスク

基本的に、自走引き取りでは、人の運搬がともなわなければ請求が可能です。
例えば、ついでに自社従業員以外を駅や自宅まで送る、という事があるのであれば、
白ナンバーでも請求する事はできません。

しかし、エンドユーザーの車両を自走で運行する事はリスクが高く、
一般的な積載車に載らないサイズなどの理由で、
顧客の理解が得られなければハイリスクローリターンと言えるでしょう。

部品引き取りに関する運搬費用の請求も・・・

当然ですが、元請けが仕入れた部品を引き取る際にも、緑ナンバーでなければ請求できません。

請求さえしなければ問題ありませんが、あらゆるリスクを想定しておく必要があります。
例えば、「元請けの部品を運ぶ際に、元請けの人が駅まで送ってほしいと言ってきた場合」です。
緑ナンバーの車両であっても、それは貨物の許可です。
人を運んだ対価と考えられる請求をしてしまうとどうなるか、考えてみましょう。

こういったイレギュラーを、従業員の方がきちんと理解していなければ、罰金・罰則となる可能性があります。

有償運送許可はどうか

有償運送許可を取得時に習いますよね。

https://wwwtb.mlit.go.jp/chubu/truck/yusho/cbt_yushoannai.pdf

有償運送許可の許可業務範囲は、
許可のある同一都道府県内かつ、公道上で走行不能となった車両を、現場から最寄りの搬送先へ移動する場合に
有償での運送を許可されています。(詳しくは上記リンクの公式資料をご確認ください)

つまり、元請けに既に入庫している場合は、
道路上で事故又は故障により自力で走行することができない状態等となった自動車又は原動機付き自転車

ではなくなるので、有償運送許可の許可業務範囲ではないのです。

結論として、取適法を根拠に有償運送許可で請求できる場面は、ほとんどありません。

原価は良い?

では、利益が無ければ良いのか、というと、そうでもないようです。

取適法は、きちんと契約をし、きちんと請求をして、きちんと元請けは支払え、という事までは行いますが、
道路運送法では「白ナンバーで運ぶ場合、原価であっても請求してはダメ!」という解釈になるはずです。

利益を乗せなければ大丈夫かどうか、弁護士の先生に相談した方が良いでしょう。

まとめ:小規模工場が生き残るには1時間あたり工賃設計が必要

緑ナンバーを5台以上有する事が出来る規模であれば、納車引き取りに関する経費を補填出来る。
と言う事は、何もしないでいると、ますます小規模な修理工場の経営は厳しくなると想定されます。

だからこそ、経費を考慮した1時間あたり工賃の設計が必要です。
「周りが請求しているから、うちも請求する」
という経営にはリスクがあります。
きちんと調べ対応し、常に情報をアップデートする必要がありますね。

また、これらの内容は、あくまで佐野が道路運送法等を確認した結果であり、
弁護士に相談をした結果を記載しているわけではありません。

一般的な法解釈の内容となりますので、元請けに対する契約書等については、
弁護士の先生等にご相談の上、作成されるのが良いでしょう。

元請け側にも罰則があり、保険のみ請求しているともっと大きな罰則となる可能性があります。

「無料相談」で現在の状況をお聞かせください

お問い合わせは、メール・LINEにて受け付けております。

※ LINE公式アカウントからも無料相談を受け付けています

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 ※ が付いている欄は必須項目です